ゆれ
これは一年近く前の話。
まだ受験の結果が出る前でした。
もし合格すれば、子は遠くへ行ってしまう。
それを考えるとボロボロと泣いてしまっていました。
子どもが家にいない時は一人で泣いて、
子どもがいる時も泣き出すと止まらないので、泣き顔は見せられないと思い、買い物に行くと言ってごまかしたり。
子と離れると考えると寂しくてしょうがなかったのです。
でも、泣きながら考えました。
なんだ、何を泣いているんだ。
今生の別れじゃあるまいし。
ただの感傷じゃないか。
現実に、子と死別した人が世の中にどのくらいおられると思ってるんだ。
その人たちは、悲しみをかかえたまま、今日も生きておられる。
それに比べて自分はどうだ。
子と少し離れるだけで、悲劇のヒロインみたいに、何を泣いているんだ。
しっかりしろ。
泣いてる暇があれば、他にすることがあるだろう。
そう考えると冷静になれました。
本当に、そうだと思うのです。
家に戻って、また家事をする。
子どもが録画していた映画を見ている。
このお話、最後で泣けてしょうがないから、私は苦手です。
そして、よりによって今のタイミングはダメ過ぎます。
私は見ないと言っているのに、子どもは内容を知ってか知らずか見ている。
やめて〜
今は特にやめて〜
そんな、感情がゆれゆれの時期でした。
そんな時期があったことも
今では思い出のようになっています。